MONSTER 欲しがる「僕ら」の危うさ
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「MONSTER」に登場する怪物は、外から襲ってくる敵ではない。歌詞がそう呼ぶのは「僕ら」だ。何かを欲しがり、もがき続ける自分たちに、その名前が付いている。
れをるのアルバム『極彩色』に収録された、梅とらが作詞・作曲・編曲を手がけた曲。目に入るものを求め、羽がなくても飛ぼうとする姿には、手の届かないものへ向かう勢いがある。その一方で、触れたものを壊し、手放した相手を思って怯える姿も描かれる。欲しいものへ向かう姿のそばに、失ったものへの怖さもある。
ここで気になるのは、不安を足に噛み付くものとして描いていることだ。不安が消えるのを待つのではなく、噛み付かれた足のまま進んでいく。その姿は頼もしくもあるけれど、犠牲を払ってきた流れの中では、止まれない危うさも感じさせる。
最後まで、欲望そのものが消えるわけではない。心の奥には「全てを手にせよ」という声が残る。前へ進むことが、そのまま救いになるとは言い切れない。何かを求める力と、それに追い立てられる怖さ。その両方を「僕ら」の中に見ると、MONSTERという名前がぐっと身近に感じられる。
